2013/06/07 STAFF BLOG

 これから数回にわたり、弊社スタッフブログのコーナーを使って、パノラマにまつわるよもやま話を取り上げていきたいと思います。パノラマの起源や文化的特長といった点に注目することで、メディアとしてのパノラマVRについて考察できればと考えております。

 まずは私自身のパノラマVR体験を振り返ってみたいと思います。私が制作したパノラマVRの第一号は2001年に撮影した自室のパノラマです。CanonのデジタルカメラIXYに付属していたPhotoStitchというステッチングソフトを使用しました。最初のデジカメをIXYにしたのも、このステッチングソフトが付属しているというのが理由でした。

筆者が初めて撮影したパノラマVR ( 2001/03/29 Canon IXY Digital, Kaidan Kiwi-L, PTGUIで再ステッチ )

 以来、すっかり私はパノラマVR制作に魅了され、街中の至る所でくるくると周るだけでなく、イベントや旅行先には必ず三脚とパノラマ雲台を持っていき、せっせとパノラマを作り続けたのです。

 私がパノラマVRを撮り始める数年前から、Web上ではQuickTimeVRを取り上げたサイトが見られるようになっていました。当時はまだ、小さなウィンドウで水平パノラマが表示されるだけでしたが、新しい視覚体験に大いに心を躍らされた記憶があります。
 QTVRは基本的には横長の写真に過ぎません。いわゆるパノラマ写真は、QTVRどころかデジタルカメラが登場する以前から広く認知されていて、使い捨てカメラにもパノラマモードが存在していました。そして、我々は特にそのパノラマ写真をバーチャルリアリティであるとは意識していませんでした。ところが、1994年にAppleがこのパノラマ写真のデジタルビューワをQuickTimeに組み込んだ際に、彼らはそれをQuickTimeVRと名付けたのです。
 それは一体なぜなのか、その謎を紐解くために次回はパノラマの歴史について触れたいと思います。